裏「まだまだ投下〜♪」

裏「ピアクリっ!ピアクリ美味しいよピアクリ!
実はシリアス好きなんだけど悲恋は嫌だなぁ、好きなんだけど。」












色濃く甦るは、(ピアクリ)



※すげぇ後半シリアスな上に死ネタです、すいません。






「あれ?ピアーズさん、浮かれてますけど、どうしたんですか?」
この間入ったばかりの新人、フィンが俺を心配して声を掛けてくれた
フィンは純粋な気持ちなんだろうが、俺には分かるよフィン。
隊長可愛いもんな、嫁にしたくなるよなフィン。
…………例え新人だろうがあげないけどな。
それ以前に俺ら恋人だし。
「いや、大丈夫だよフィン、明日クリス隊長とデートするんだよ」
「デートですか!?………いいなぁ」
小声で羨ましそうに言うフィン、ああやっぱり隊長の事好きだったのか
「きっとお前もそのうち誘ってもらえるよ」
「えっ」
嬉しそうだな、フィン。
「このデート中に、結婚申し込もうかなー」
「付き合ってるんですよね、確か」
「そうだよ、いっとくけどやらないぞ」
「何言ってるんですか!ピアーズさん!!」
恐れ多いと手をぶんぶん振る。
俺はそれを見て吹き出してしまった。


翌日のデート?そりゃ…最高でした!!
にっこりといつもの笑顔で迎えてくれる隊長が可愛くてつい
ハメをはずしてしまい、抱きついたりとしたが隊長は笑って受け入れた
清いお付き合い?ふふん、もう一線越えましたよ、隊長可愛かったです。
勿論隊長は女側です、これは譲りません。
ただのヘタレだと思ってたら大間違いですからね!


付き合ってるとはいえ、悪い虫もいるわけで…当然俺は、
隊長に悪い虫がつかないようにと大忙し!
昨日なんてタチの悪いゴロツキに隊長がヤられそうになったりしたんだ


俺 の 隊 長 に 手 ぇ だ す な


そう、今では笑い話になるかもだが俺はシリアスな気持ちだった。





〜その時の出来事〜



「あれっ?クリス隊長!…クリス!?どこですか〜!」
俺は先ほど少し用事があって席を外していた所で、また帰って来た。
しかし今度は隊長がいなくなっていた、あれっ?どこ行ったんだ?
おかしいなと思い色々探してみる。


……すると裏の方から聞き慣れた愛しい声と、知らない男の声がした


(誰の……声だよ…!!)
隊長の声が焦っているように聞こえて、嫌な予感がした。
俺の隊長に何しようとしてんだよその男は!


「……!!」


「うっ…!やめろ!離せ!!」
知らない男に掴まれて必死に抵抗している隊長がいた
「てめぇっ!!ウチの隊長に何すんだよ!」
「ごふっ!!」
許せねえ、何してんだよコイツは、そして自分も許せねえ。
一時的にでも、隊長が、他の男に!!


「ピアーズ!!もうやめろ!これ以上は!」
「何言ってんですかクリス!コイツはあんたをー…!」
そう言いかけて、ハッとする。
「………すいません、行きましょう」
少しの手当てをしてその場を去る。
人通りの少ない場所で良かった、そう思った。
「ピアーズ、怒ってる…のか?」
「怒ってますよ、そりゃあ」
そう言うと隊長が申し訳なさそうに俯いた。
そんな顔しないで下さいよ、我慢出来ないです。
「隊長がアイツに、あんな奴に奪われると思うと頭が真っ白になります」
実際隊長が止めなかったらきっと男は死んでいただろう。
「あんたに触れるのは…俺だけで十分ですよ、クリス」
低い声で、呟いた。






……後のことは、多分想像通りだろ?
とりあえず俺は嫉妬したんですよ!
彼に触れていいのは俺だけなんだから!







……………



「ピアーズ!!」
俺は、化け物に捕まった隊長を、クリスを助ける為にウイルスを使った
躊躇する暇は、無かった。
おかげで腕は見事に化け物の仲間入りを果たして電撃が出るようになった
ああ、戻れないな、これじゃあ。
「すいません…隊長……!」
「ピアーズ、何も言うな、すぐに帰るぞ!」
戻れやしないと分かってるのに、帰るぞ、と言う隊長。
出来れば彼と共に帰りたい、そして元に戻ったら愛を囁きたい。
そんな悲しい顔は、させやしないのに。
出来れば、出来れば…お爺さんになろうとも隊長と一緒にいたかった。


思い出すのは、隊長とのデート。
あの時はアクシデントもあったが最高に楽しくて、人生の思い出だ。
化け物になろうとも忘れたくない、最高の思い出。
「クリ、ス…!」
「どうした、ピアーズ!」
心配そうに支えてくれるクリス。
ああ、離れたくない、離れたくないけど…
「もうすぐ…帰れるから、治してやるからな」
泣きそうな顔で言うクリス。
本当はこの場で抱き締めたいけど、時間が無くて、悔しくて…
脱出ポットをパネルを操作しているクリスに向かって言う、
「約束…守れません、でした」


『いつまでも貴方のお傍にいます、クリス』


あの時確かに誓ったんだ、なのにここで破ってしまうなんて…
「自分は、あの日……とても、幸せ…でし………た、」
もう言葉が思うように出せなくなってきている、ああ、肝心な事がまだ、
「ピアーズ、俺は…」
「これ……からも…魂は、たい…ちょ…と……」
もう、意識が朦朧としてきた、マズい…
このまま化け物になっても、クリスは俺を殺したりはしないだろう、
俺はクリスを殺したくない!生きていて欲しいんだ!!


だから、


「こ…れか、ら……も、あ…い、して……ま…す」





開いた脱出ポットの中に、クリスを無理やり入れた





うまく伝えられない事が悔しい、でもクリスも泣きながら返してくれた
…それだけでも、とても嬉しかった。
『ピアーズ…!!』
視線は、絡まったまま離さなかった。




やがて、脱出ポットが遠ざかっていった。
俺は化け物に特大の電撃を喰らわせて、もう三途の川に行きかけている。
(隊長を守るのは俺だ、お前が触れていい訳ないだろ、ばーか。)
心中でそう呟きながら、満足して、俺は二度と目を開ける事はなかった。








『俺を残して死ぬなよ、ピアーズ』
『大丈夫ですよ隊長!俺は殺しても死にません!』
『そう言われると、期待するぞ?』
『任せて下さいよ、絶対死にません!』
『ふふ、頼もしいな』





俺のみた最期の夢は、あの時の夢でした。






……………………
切ねえエンドなんてお姉さんは許しません!!うわあああん!!
ピアーズマジ良い子!うわあああ!! by裏